STYLE OF LIFE

家族の笑った顔が、
リビングに集まる家。

窓をフレームにして、遠くの立山連峰を切り取る。そんな自然のアートが、この家のリビングにある。 夫妻が家づくりを考え始めたのは一昨年前。運命的に出会ったのが呉羽山の麓に開けたこの土地だった。「住宅地にありながら里山のような眺め。一目惚れしました」とご主人。米田木材との家づくりは、この景観をどう切り取るかをテーマに進んでいった。

奥様は言う。「希望したのは流行りにとらわれない、数十年後も住む人に心地いい家。平屋のようにLDKや寝室、水回りなどが一階に置かれた生活空間、そして時を重ねても飽きがこないデザインをお願いしました」 大開口部から優しい日差しが注ぐLDKは、ナラの無垢の床やアクセントウォールが落ち着いた空間を演出。「子供たちの様子を見ながらご飯を作りたい」とキッチンはすっきりとしたアイランド型を採用。「窓からの自然の移り変わりを楽しみながら、家の事をする。私にとって大切な時間です」

ご飯を一緒に食べる。
それがココロの栄養になる。

中学1年の息子さんと小学5年の娘さんは、多くの時間をLDKで過ごす。リビングのテーブルとダイニングソファは、二人の定位置。ここで宿題やテスト勉強もするという。「2階に子供部屋はちゃんとあるのに、気づくと4人ともリビングで過ごしていたりする(笑)。それだけこの空間が好きなんだと思います」  夫妻が大切にしてきたのが、朝と夜は必ず家族みんなでご飯を食べること。奥様は冷蔵庫の中にある物でその日の献立を作る。「育ち盛りで二人ともスポーツもやっているので、栄養バランスには気をつけています。タンパク質の一日の摂取量もちゃんと取るように心がけています」。
どんな日もご飯を一緒に食べること。それが一日のパワーとなり、家族の絆を育んできた。

一人の時間も、一緒の時間も、
大切にしたいから。

家族の日々に新たに賑やかな幸せを運んできたのが、二匹の猫たちだ。一匹は息子さんが拾ってきた猫で、もう一匹は保護猫団体から譲ってもらったもの。木造りの家で自由気ままに過ごす彼らの姿をインスタにアップするのが日課。「可愛い彼らを撮るのが、私にとって癒しの時間なんです」と奥様。

ご主人の趣味は釣り。週末になると県内の漁港に出かけて、自ら捌いて家族にふるまう。「旬の魚の刺身は旨さが格別。贅沢な食育ですよね」と笑う。玄関横に造った趣味の部屋に釣りグッズを美しく陳列し、眺めるのが至福の時だ。

個々の好きな時間を尊重する。だからこそ、また自然と家族で過ごしたくなるのかもしれない。一家を見ているとそう思う。