STYLE OF LIFE

フルリノベーションした我が家で、
子どもの「生きる」を育てる。

扉を開くと、木の温かみを感じる30畳のLDKが広がる。ここに、週末になると気のおけない友人家族が集う。「大人と子ども合わせて20人。料理やお酒、お喋りを楽しむんです」

夫妻と子ども3人の5人家族。結婚当初、築20年の家に二世帯で暮らしていたが子供が生まれたことでフルリノベーションを決意。コンセプトは「人が集まるカフェみたいな家」。仕事が設計関係のご主人が奥様の希望を取り入れて図面を描いた。キッチンカウンターや吊り棚などもご主人のお手製だ。

柱はそのまま生かし、上質なチークをご主人が貼り合わせて温かみのあるリビングに。以前の家より何倍も使い勝手と心地よさのある家が実現した。

玄関から入って、まず印象的なのが天井まである大きなドア。下駄箱は、この家に合わせてご主人が作ったもの。古材をリメイクしたシャビーな風合いがかっこいい。

和室には、お祖父様が作られた欄間を以前の家から引き継いだ。

リビングには愛犬専用のお部屋も。

居心地いい空間にはホームシアターやカラオケも完備。「W杯の時はスポーツバーさながらに盛り上がります。みんな自分の家のようにくつろいでいくんです(笑)。多くの人と接することで子供達もいろんなことを学んでいると思う」

「結婚してから料理は大好きになりました。毎日なるべく手作りしています」と理佳さん。インナーガレージは食品庫へと直接繋がり、毎日買い出しに出かける奥様には重宝している。「雨の日も濡れないから子育て世代にはぴったりですね」
調理や盛り付けの動線に合わせて整理されたキッチンは使い勝手に溢れる。「友人に気を使わせるのが苦手なので、パーティーはいつもオープンなスタイル。ドリンクやお皿を自由に取ってもらいます」60cmという深い奥行きの引き出しには食器やカトラリーが誰でも一目で分かるように美しくディスプレイされている。

「片付いていると自分も家族も気持ちがいい。インスタの収納のコツを参考に、どんどん使いやすさを更新しているところです」。子供の学校関係の書類や文具、生活用品に至るまで「モノの住所」が決められた空間は、気持ちと時間のゆとりをくれる。子育てで忙しい日々の中にも、奥様がいつも笑顔でいられる秘密がここにある。

「一人の対等な人間として子どもを育てる」が夫妻の子育てモットー。「自分の道を自分で決められる人間になって欲しい。そのためにも、家族の一員として自分でできることは自分でしてもらうようにしています」。

その工夫の一つが、家事をみんなでシェアしたくなる空間づくりだ。小学校、幼稚園に通う3人のお子さんの「家事能力」は高い。夕方、帰宅した理佳さんがキッチンで夕飯を作る間に、風呂の掃除やテーブル拭き、お皿を並べるなどの「仕事」をすませてしまう。

小さな子でもきちんと教えてあげれば、お手伝いや身の回りの事ができる。大切なのはわかるように空間を整えることなんです」と理佳さん。洗濯室の着替えコーナーやランドセルの収納スペースを各自用意したり、1日の流れを「見える化」した動線が子どもたちの自立を楽しくサポートしている。家族みんなが協力しあい、思いやりの心も育む。そんな「素敵」が詰まっているのだ。