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“減築リノベーション”という選択が教えてくれたこと

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“減築リノベーション”という選択が教えてくれたこと

「新築として建て替えるのではなく、想いを受け継ぎ、減築リノベーションすることで新たな価値を生み出す」
そんな選択をされたオーナー様に、率直な想いを伺いました。
リノベーションを決意した経緯や、工事中に驚いた事、担当者とのやり取りで感じた事などを伺いました。

減築ってそんなに難しいの・・・?

お母様の代に建てられた家を、40年間大事に守って来られたオーナー様。

しかし、そろそろ夏の暑さや冬の寒さが辛くなり、快適な家で暮らしたいなと思い、リノベーションを決断された。

県内有数の住宅メーカーが出展しているリフォームイベントに参加された際のこと。何か所か訪問し減築リノベーションの相談をしたが、軒並み返ってきた返答は「そこまでするなら、新築の方がいいですよ?」の一言だった。

金額の事だけを考えれば、新築の方が良いというのはなんとなく分かっていたが、オーナー様には減築にこだわる”理由”があった。

オーナー様のお母様が、間取りや部屋の位置にこだわり、想いをたくさん詰め込んで建てた。お子様もその家で産まれ育ったので、思い出がいっぱいの家を、真っ新な新築に建て替えてしまう事に抵抗があったという。

そんな想いを胸に、期待を込めて訪れたリフォームイベントで、半ば心が折れそうになっていた。

「減築ですか?はい、できますよ。」

そんな時、偶然立ち寄った米田木材のブースで、担当営業 前田から言われたこの一言で、奥様は「目の前がパーっと明るくなった」と当時を思い出しながら語って下さった。

米田木材の第一印象は、「賑々しくなくシンプル。名前は知らなかったが、何となく良い雰囲気だった。」営業の前田の印象は、「大柄だけど(笑)、仕事が雑じゃなく、繊細で頼りがいがある」と冗談まじりに旦那様が当時の印象を語られる。

当時の事を、担当した前田は「特別な意味を込めて言った訳ではない一言が、そんなにお客様に刺さっていたとはビックリした。しかし、奥様にとって一筋の希望の光のように思って頂けたのは、とても嬉しい。」と話す。

この先ずっと付き合うなら…決め手は「人」

実は初めから米田木材に絞って決めて下さっていた訳ではなく、他の住宅メーカーとも比較検討している状況だった。

米田木材に決めた最後の決め手は「人」。

「ヒアリングもせず、こちらの希望も聞かず、見積書だけが机に置かれる。そんな対応を受けた事もあり、『自分の希望は、聞いてもらえないのだろうか』 『 本当にこの人たちに、大事な家のことを任せていいのだろうか』 と悩んだ事もあった。そんな中で、何度も打合せを重ね、自宅と米田木材を行き来している内に、「こんなにも丁寧に対応してくれるんだ。」と、米田木材には”誠意”を感じたそう。

そして何より印象に残ったのは、営業・前田の存在だった。

どっしりと構えた佇まいと自信に満ちた姿が、安心感となって伝わり、「この人たちなら任せられる」と自然に思えたのだという。

こうやって、オーナー様と米田木材との減築リノベーションがスタートした。

「雨ざらしで大丈夫!?」

「工事中に気になった事はございましたか?」というインタビュアーの質問に、ご夫婦で顔を見合わせて、気まずいような、意味ありげな笑顔を浮かべられるオーナー様。

「今後リノベーションをされる方のためにも・・・と思って、話しますね」と話を始められた。

今回の計画は、2階建ての住まいの2階部分を減築し、平屋にするという工事内容。“2階部分を無くす”という事は、一旦屋根を解体し、新たに組み直す工事が必要。ちょうど、屋根を解体した頃、何日も雨が降り続いていて、屋根を失った家は、柱や梁が雨ざらしになっている状態だった。

「あれ・・・屋根がなくて木材こんなにが濡れてる。これって大丈夫なの?」

オーナー様はリノベーションは初めての経験。何が当たり前で、何がイレギュラーなのかも分からない。だからこそ、目の前の「雨ざらしの木材」はショックだった。あわててスマホで調べてみても、「木材は濡らしてはいけない」と書いてある記事ばかりが目につき、ますます不安が募るばかり。

「これは本当に大丈夫なのか」
「もしかして、見に来なかったら気づけなかったことかもしれない」
担当の前田に連絡したところ、すぐに駆けつけてくれた。

雨ざらしになっていたとしても、木材から水分が抜けていくのを確認しながら施工を進めて行くので、問題は無いと説明を受けた。
しかし、前田は事前にオーナー様にお伝えしていなかったという後悔の気持ちになったという。

その状況を見て、現場でサポートしたのが、工務を担当していた二口。

「現場で何度も進捗確認をしてくれたり、現場に伺う度に工務の二口さんは専用の機械で水分含有量を測ってくれたり。私たちの不安を取り除くため、色々対応して下さったお陰で、最終的には安心してお任せすることが出来ました」

「あ、それと」と急に嬉しそうな表情で、奥様から教えて下さったこと。

「大工の釣さんとのやり取りで感じたことなんですが、私たちが不安そうにしているのを見て、『安心材料になれば・・・』 と言って輪切りになっている木材を見せてくれたんです。周りは水で濡れているけど、芯までは濡れてないでしょ?と。実際の柱とは違うが、参考になればという釣さんの心遣いで、私たちの心もほぐれました」と、現場でのコミュニケーションや職人の気遣いからも安心を感じていただけたようだった。

大工の釣さんは、米田木材の現場を長年支えてくださっているベテランの職人。

毎年開催している協力業者様懇談会にも参加し、「お施主様のために何ができるか」を一緒に考えてきた仲間ならではである。

「学ぶことが楽しいんです」社員の姿勢から見えた、米田木材の理念

家づくりを振り返るなかで、奥様が特に印象に残っていると話して下さったのが、設計士の三杉とインテリアコーディネーターの古川のスタンスだった。

「イメージはあるけど、言葉にできない」「好きな雰囲気はあるけど、どう伝えたらいいか分からない」──そんなふわっとした想いにも、二人は丁寧に耳を傾け、いくつものプランを通して視覚化してくれたという。たくさんの“引き出し”の中から、最もフィットする提案を重ねていく姿勢は、まるで一緒に答えを探すパートナーのようだった。

最終的な決定は常にお施主様に委ねながらも、その過程を豊かにするために尽くしてくれる姿に、奥様は深く信頼を寄せていた。

そんな中、打ち合わせの合間に三杉と古川がふと口にした言葉があった。

「新しい商品が出るたびに勉強会や研修があるんです。大変だけど、新しいことを学べるのは楽しいし、すごく勉強になります」

そのひとことが、奥様の心に強く残った。

「新しいことを学ぶのが楽しいって、すごいことだと思います。そんなふうに言える人たちがいる会社って、素敵ですね」

家を建てるという人生の大きな選択において、「誰とつくるか」はとても重要。技術や実績も大切だが、そこに“学び続ける姿勢”や“前向きな心”があるかどうか。それは、お客様にとって「この人たちなら信頼できる」と思える、大きな判断材料になるのかもしれない。

「大変なことも多い業界だと思いますが、それでも前を向いている感じが伝わってきました」──そんな感想も頂いた。

関わった4名の社員、そこから米田木材の仕事に対する姿勢を感じ取って頂けたことに喜びを感じた。

「言葉は消えてしまうけど、手紙ならこの気持ちを残せる」

引き渡しの日の空気は、どこか少し照れくさく、でもとても温かかった。長い時間をかけて向き合ってきた家づくりが、いよいよ“暮らし”へとバトンタッチされる瞬間。ご夫婦の表情には、期待と喜び、そして少しの名残惜しさがにじんでいた。

「本当は、もっと伝えたいことがあったんです。でも、その場ではうまく言葉にならなくて──言葉は流れていってしまうけど、手紙なら気持ちを残せると思ったんです」

そんな言葉とともに、後日、私たちのもとに一通のお手紙が届いた。

「想像以上に素晴らしい新居を、本当にありがとうございました」と綺麗な字で綴られていた。

担当者にだけじゃなく、関わった全員の人に届くように、と“米田木材宛”に届けられたその手紙には、たくさんのありがとうが綴られていた。家づくりの記憶を振り返りながら、引渡しの際に伝え切れなかった感謝の気持ちを、“言葉にして残す”ことを選んで下さった。

インタビュー中にも、「普段からよく手紙を書くわけではないが、誠意を尽くして頂いたからこそ、手紙を書こう!と思えたし、書きながら自然と言葉が出てきた」と奥様が仰っていた。

完成した家には、娘さんの絵がよく映える玄関。気密性が高まり、外の音や寒さも気にならなくなった新しい空間。長く大切にしてきた“暮らしの記憶”を残しながら、これからの生活に心地よさを加えた。まだ、春夏秋冬を一巡していない家。その四季のうつろいとともに、住まいの表情も、そこで紡がれる時間も、少しずつ深まっていくことだろう。

オーナー様の愛猫も少しずつこの家に馴染んでくれた。お気に入りの陽だまりの場所を見つけ、のびのびとくつろぐその姿に、思わず笑みがこぼれる。

家は完成した瞬間がゴールではない。住み手の暮らしによって、年を重ね、味わいを増しながら、本当の意味で“完成”へと近づいていく。

その一歩一歩に寄り添いながら、住まいと暮らしを“共に育む”。

それはまさに、米田木材が目指している“世界で一番幸せな暮らし”づくりであり、私たちにとっての何よりの喜びである。

You & I, Growing together.

“あなたと私、価値ある未来を共に育む。”

これからもずっと。

イラストレーターの娘様が描かれた絵(リノベーション前のダイニングの風景)

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YG TIMES編集員

柏木 彩夏

2019年に中途採用で入社し、現在は入社7年目。所属は事務部だが、部署を超えて色々な業務にチャレンジしている。YG TIMESの編集やインナーブランディングに携わる。昨年育休を終えて職場復帰。職場での学びを育児にも活用し、豊かな暮らしを実践中!