さよなら、冬の寒い廊下・散らかるリビング――「予習ゼロ」の私が、チーム設計と見つけた“神間取り”とは⁉
- キッチン
- こだわり
- 収納
- 快適
- 整理整頓
- 洗面所
前回は「土地選び編」をお届けしましたが、今回は「間取り編」です。
実は私、今回の家づくりにあたって「事前リサーチ」をほとんどしませんでした。SNSで流行りの間取りを検索することも、自分で図面を引いてみることもありませんでした。
社員だから……ではなく、一人の施主として「あえてそうした」理由と、設計士との打ち合わせで感じたことを、本音で語ります。

迷わないために「あえて調べない」
「家は3回建てないと、満足いくものはできない」 と聞きますが、そんな訳にもいかないので、私もまずはインスタグラムで「#間取り」で検索してみたのですが・・・
あまりの情報量の多さに、正直面食らってしまいました。インスタで「#間取り」と検索すると、85万件ほどヒットするくらい、間取りに関する情報は世の中に溢れていたのです。1つ、2つ見てみたものの、自分の理想にピッタリくるものがある訳でもなく、すぐに見るのを辞めてしまいました。
そこで、思い切って「素人がSNSで得たわずかな知識で悩むよりも、毎日「暮らし」と向き合っているプロに任せる方が、絶対にいい家になるはずだ。」と腹をくくってみることにしました。今思えば、少し無謀な気もしますが、設計士に対する信頼感があったからこそ出来た決断だったと思います。
こうして私たちは「絶対にゆずれないこと」だけを担当設計士の三杉さんに預け、あとは真っ白な状態で提案を待つことにしました。
一人のために、全員が動く ――チームで対応してくれる安心感
打ち合わせが始まって驚いたのは、担当の三杉さんが折に触れて口にしたこの言葉です。
「実は昨日、設計部全員でこの図面を見て、さらに新しいアイデアが出たんです」
わが家は現在の場所での「建て替え」。既存の駐車場の位置など、動かせない制約がある中での難しいパズルでした。三杉さん一人のセンスに頼るのではなく、プロが集まって「もっと良くできるはず」と、病院のセカンドオピニオンのように多角的に検証してくれる。
「一人のために、チーム全員が動いてくれている」という安心感は、何物にも代えがたいものでした。そんなチームの知恵が結集した初回プランは、まさに「……完璧!」。私たちがぼんやりと頭の中で描いていた想いが、そっくりそのまま図面に現れていました。
前の家が教えてくれた、「次は絶対に叶えたい」こと
少し話が戻りますが、私たちがまず設計士の三杉さんにお話したのは、建て替え前の家で日々感じていたストレスの数々でした 。小さな不満でも毎日続くとこれが大きなストレスになるんです。SNSでキラキラした間取りを探すよりも、まずは自分たちの「不機嫌の正体」を洗い出すことから始めたのです。
冬の廊下は、外と同じ気温
リフォームしたリビングを一歩出ると、そこは凍える別世界。この極端な温度差をなくし、家中どこでも暖かい「温度のバリアフリー」を実現したいと考えました 。
片付けても、散らかる
収納の数以前に、玄関からリビングまでの動線に物を置く場所がなく、帰宅した子供たちの服やカバンが散乱するのが日常茶飯事。気合で片付けるのではなく、自然と整う「仕組み」を求めていました。
本棚がなく、崩れゆく蔵書
本好きの夫の愛読書が、収まる場所を失ってあちらこちらに山積みに。いつ崩れてもおかしくない「本の塔」は、もはや家の風景の一部になっていました。
洗面所の収納不足と、2階への往復
洗面所に着替えを置くスペースがなく、お風呂に入るたびにわざわざ2階まで服を取りに行かなければならない。毎日のこととなると、この小さな移動が地味にストレスなんです。
朝のトイレ・洗面台渋滞
1階に一つしかないトイレと洗面台。身支度の時間が重なる朝は、譲り合いながらも不便さを隠しきれませんでした。家族の動線がぶつかり合い、誰かがイライラしてしまう……そんな「渋滞」を解消したいと願っていました。
「次は絶対に、家族全員が機嫌よく過ごせる家にしたい」そんな私たちの切実なリストが、新しい家の骨組みになっていきました。
アイランドにしない理由。キッチンは「母の秘密基地」であっていい
プランニングの最中、心が揺れたこともありました。見学会で見る開放的な「アイランドキッチン」は本当に素敵で、憧れました。
でも、三杉さんと対話する中で気づいたのは、私にとってのキッチンのあり方でした。 5歳と2歳の娘たちの育児に追われる、慌ただしい日常。
だからこそ、料理をしている時くらいは、自分と向き合い、自分を労わる大切な時間にしたかったんです。
あえてリビングから少し独立させた空間に。視線の先には、静かな庭の緑。 そこは、誰にも邪魔されない「お母さんの秘密基地」。流行の正解よりも、自分がどうすればご機嫌でいられるか。その本質を三杉さんに肯定してもらったことで、迷いは消えました。

みんなが心地よいリビングとは?「仕組み」が作る広さ
もともとの家は、リビングがそこまで広くはありませんでした。お正月に家族全員が集うと、足の踏み場がない位で、結局は隣の寒い寒い和室で子供たちは遊ぶ羽目に。普段の生活で窮屈さを感じる程ではないですが、玄関からリビングまでの間に収納が無い事もあり、帰宅した子供たちの服やカバンがあちらこちらに散らかっていました。
母は常々「新しいお家になったら、物が少なくてスッキリとしていて、ゆったり出来るリビングがいいな~」と言っていたので、三杉さんとの打ち合わせの際に、そこも考慮した間取りにして欲しいと希望を伝えておきました。
三杉さんの提案は、リビングを「散らからない聖域」に変えてくれる、こんな間取りでした。
「玄関 → シューズクローク → ファミクロ → 洗面 → リビング」
リビングに入る「手前」で着替えも手洗いも完了する。 「広いリビング」とは、ただ面積を増やすことではなく、そこに「余計なものが入ってこないゆとり」を作ることだったのだと、改めて実感しています。

「壊す」つもりだった庭が、一番の宝物になった理由
実は、間取りを考える上でもう一つ大きな悩みの種がありました。それが「日本庭園」です。
当初、私たちは庭をすべて取り壊し、コンクリートを打つ予定で打ち合わせに臨みました。管理していた祖母が施設に入り、私たちには庭を手入れする余裕がない。さらに、お恥ずかしながら解体費用がどれほどになるかも知らなかったのです。
ところが、現地調査に来た三杉さんから意外な一言が。
「こんな立派なお庭をなくすのは、とても勿体ない。このお庭を活かしたお家にするのはどうでしょうか」

そこから家族で話し合い、結局「残す」ことに決めました。庭の解体費用が想定していた予算を上回ってしまったのも理由の1つですが(笑)、何より「庭を眺められるリビング」という心躍る提案をもらったことが大きな決め手でした。
管理の負担を減らすため、大きな岩を撤去し、落ち葉の多い高木を伐採するなど、今の私たちの暮らしに合うように手を加えました。三杉さんの一言がなければ、先代が守ってきた風景を、私たちは知らずに手放していたかもしれません。
“神間取り”ではなく、“幸せな間取り”
私たちの間取り決定は、驚くほどスムーズでした。 それは、私たちが「正解」を外に探すのをやめて、プロに「私たちの暮らし」を翻訳してもらう道を選んだからだと思います。
“神間取り”を求めてこの記事を読んで下さった方には、期待を裏切ってしまい申し訳ないのですが・・・家づくりを経験して気づいたのは、誰にでもピッタリ当てはまるような“神間取り”なんてものは実は存在しない、ということです。 住む人が違えば、大切にしている価値観も、心地よいと感じる瞬間も違う。 流行のデザインや利便性以上に、自分たちが「大切にしたいものを大切にできる」こと。それこそが、その家族にとっての本当の「幸せな間取り」なのだと感じています。
だからこそ米田木材は、誰にでも当てはまる「一律の正解」を提示するのではなく、その人がその人らしく幸せに暮らせるカタチを、対話を通して納得しながら見つけていくプロセスを何よりも大事にしています。
さて、間取りが決まれば、次は「インテリアコーディネート編」です。間取りで悩まなかった私たちが、果たしてインテリアコーディネートでも悩まずに無事決められるのでしょうか?乞うご期待!
【おまけ】打合せスペースにはキッズスペースがあり、我が家の娘たちも、絵を描いたりブロックで遊んだりしながら過ごしていました♪(階段は危ないので、3段目までね!と言ってました笑)
