住まいを片付けるだけで、子どもの未来と家族の幸せが大きく変わる――整理収納の本当の力
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一番簡単な願望実現方法は、整理収納にあり!
中学、高校の3年生は、部活も夏休みも終わり、いよいよ受験に向けて本腰をいれて勉強する時期になりましたね。
そんな受験生を持つご家庭にお伝えしたいのが、タイトルでも書きました、一番簡単な願望実現方法は「整理収納」です。たかが「整理収納」だと思われるかもしれませんが、私はこれこそが、人生を動かす最適なツールだと思っています。
皆さんにも経験がありませんか? テスト勉強をしようと机に向かうと片づけたくなる、アレ。
この現象には、いくつかの心理が働いていると言われています。
まず、ひとつ目は、困難なタスクからの「逃避行動」です。勉強しても必ずいい点数がとれるとは限りません。そこで苦痛である勉強を避けて、手っ取り早く成果がでる片付けを優先したくなるそうです。
二つ目は、ストレスや不安の軽減です。
勉強に対するプレッシャーや不安感が高まると、脳はそれを軽減しようとします。
どんなに真面目な気持ちで勉強に取り組もうと思っても、散らかっていると気になってしまうもの。 脳が必死に「情報量を少なくして!」と片付けを促している状態とも言えるでしょう。
逃避行動でなくポジティブに受験へ取り組み、ストレスや不安に子供たちの行動が支配されない環境を私たち親が作れると、子供たちの未来への可能性は更に広がりをみせそうですよ!

18歳の人生を変えた片付け。LDKの整理収納から始まった志望校合格!
今回、ご依頼をくださったOさんは、これから受験勉強を始める息子さんのために、荒れ放題の家をどうにかしたいと依頼くださいました。
伺ってみると、事前にお話しを聞いていたとおり、家の中はかなりのもので溢れかえっていました。
リビングの中心にあるアイランドキッチンのワークトップには、積み上げられた書類たち。ひとりがやっと通れるスペースだけ空いているリビングの床。その両サイドには、段ボールに詰められた「いつか整理したいもの」が並んでいます。ダイニングテーブルにも書類や文房具、食べ残したお菓子、ティッシュなどが放置されています。
お母様にヒアリングをしていても、思考も感情も停止していて、「とりあえずここに」「いったんここに」、そうやって置かれているものたちが、人間の生活に悪影響をもたらしている、そんな状況を感じました。
片付けを一緒に進めていくと、今まで話されなかった深いお気持ちをお話ししてくださることがよくあります。
この時も、1日かけてLDKの整理収納に取り掛かり、ゴールが少し見え始めた頃、「実は、息子は受験どころでなく、学校に行かず部屋に引きこもっていて・・・。息子の部屋が一番大変なことになっているのですが、私の言うことか聞いてくれないし・・・。もうどうしたらいいか・・・。」
部屋の片づけから始まった息子さんの変化
目的がしっかりあると人はやりきれるもので、1階のLDKは、お母様が本気でモノと向き合い、たくさんのモノを手放す覚悟をされたことで、部屋の景色を広々と変えることに成功しました。
次は、息子さんのお部屋に取り掛かります。ただ、その時には、息子さんの協力が必須になるので、一緒に片付けをしたいと伝えると、家の中の変化を良い方向に感じてくれたのか、意外にもすんなりと協力してくれました。
息子さんの了承を得て、子供部屋に入っていったところ、その様子は以前の1階LDK同様、机の上はプリントや本で埋め尽くされ、足の踏み場もない部屋。ベッドの上には、漫画や衣類などが雪崩をおこし、当然ほこりも溜まっていて、洗濯されていない寝具からは臭いも漂う。
正直、息をするのも苦しい部屋で、下を向いたままの息子さんの心の叫びが聞こえてくるようで、胸が締め付けられます。
最初のうちは私がひとつひとつ「これは使ってる?使っていない?」と聞いていましたが、机の上に空間が生まれたころからは、自分自身で考えてどんどん処分できるようになっていかれました。
止まっていた時計が動き始めた瞬間
そうしていくうちに、「あ!息子さんの表情が変わりだした!」と感じた瞬間がありました。その時に、なんとなくですが、もう息子さんは大丈夫と思えたのです。だって、考える気力もなく散らかった部屋でただ過ごしていた息子さんが、今の自分にとって、要るものと、要らないものの選択ができるようになったんだから。
仕上げには、一緒に掃除をし、大切なフィギアたちを飾り、サービスは終了となりました。荒れ果てた部屋でしたが、3時間後には、今の息子さんが自分で選んだ必要なものが整然と並び、ピカピカな床が見え、窓からは新鮮な空気は入りこんできます。

息子さんが部屋で勉強を始めた!
そのあとすぐです。お母様から連絡があり、部屋にこもって何をしているのかと思えば、なんと机に向かっていたそうです、しかも、学校にも行くようになり、成績も偏差値もみるみる上がっていったといいます。そして、見事、第一志望に合格したとの報告が!もちろんこれは、息子さんのがんばりやご家族の支えがあってこその結果ですが、そのポテンシャルが発揮できるようになったきっかけは、空間の変化だったんじゃないかと思います。

整理収納は、キレイにすることが目的ではない
整った環境は、おのずと、人の心も思考も整えます。さらに行動が整い、時間が整っていく。ひいては、人生も整い、家族を幸せにします。
そしてその望みを叶えていける土台は、いつもどの時代も「住まい」にあるのです。
自分の気持ちの中の「本当はこんなふうに暮らしたい」「こんな家族になりたい」に気づいたならば、片付けの意識を変え、一歩踏み出してみてください。
11月9日(日)は、こちらの米田木材さん主催のセミナーを担当させていただきます。私のお仕事経験、子育て経験、主婦経験、ひとりの女性としての52年の経験から、今から家族の皆さまにお伝えしたいことが山ほどあります。人生に1回は、聞いて欲しいし、それはなるべく早くがいいと思います。皆さんの「どんな暮らしがしたいのか」「どんな家族になりたいのか」が聞けるこの日を楽しみにしています。
今回もありがとうございました!

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Kuraduce(クラデュース)代表
浮田美紀子
(一社)ハウスキーピング協会認定。整理収納アドバイザーとしての経験を活かし、「ゆとりある暮らし」をサポートするKuraduceを設立。住まいや家事の支援、生前整理、家族のための準備など、暮らしを多面的に支えるサービスを展開中。心に寄り添うサポートを大切にしている。