安全地帯を飛び出して ― インナーブランディングへの挑戦で見えた新しい世界 ―
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2024年11月に1年半の育児休暇から復帰し、久しぶりに母としてではなく、一社会人として仕事の時間を持てる事に喜びを感じていた。そんなある日、米田木材のドリームマネージャーこと倉増さんと面談をする機会があった。
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ランチをしながら雑談交じりの面談で「柏木さんは今の現状に満足してる?」と聞かれ、迷わず「はい!」と答えた。仕事や家庭には不満なんてないし、むしろ毎日それなりに充実していた。しかし、倉増さんから「もしかして、柏木さんは安全地帯にいるから不満が無いのかもしれないね。一歩外に出たら違う世界が見えるかもしれないよ。」と言われた。私は「え、なんで今のままじゃダメなの?」と倉増さんの提案には、正直同意が出来なかった。
しかしその日を境に、“私は本当に今の現状に満足しているのだろうか?これは単に冒険してないだけなんだろうか?でも、そもそも冒険する必要ってあるのかな・・・”と、頭の中をそんな想いがグルグル巡り始めたのだった。今思い返せば、自覚はしていないが図星な部分があったのかもしれない。
私は昔から人と話すのが好きで、誰かの話を聞いたり、自分の思いを共有したりする事で喜びを感じる事が多かった。そんな私に社長が「インナーブランディングやってみる?」と提案してくれた。インナーブランディングという言葉は初めて聞いたが、「何となく面白そう!」と直感し、「はい、やります!」と二つ返事をした。
ところが、いざ始めてみると「そもそもインナーブランディングって何?何のためにやるの?誰に何を伝えれば良いの?正解ってどれー!!!」という具合に、右も左も分からず迷走する羽目に。
それもそのはず、「インナーブランディング=企業理念や価値を定義し、自社の従業員に対して共感と行動変容を促す活動※1」という定義はあるが、その会社ごとに文化が違うように、インナーブランディング活動も会社が変われば全く違う内容になる。つまり、正解がない問題を抱える事になったのである。
※1:参考資料 GPTW HP https://hatarakigai.info/library/column/20240709_3442.html
インナーブランディング委員会として初めての活動は「社員みんなにインナーブランディング委員会の存在を知って貰い、インナーブランディングの目的やビジョン(理想の姿)を共有する事」であった。こう聞くと簡単そうに見えるが、私にとっては、これがなかなかの難易度だった。まず、米田木材にとってインナーブランディング委員会とはどういう存在意義があるのか?そして、会社が目指す未来の姿とは、どんな姿なのだろうか?をきちんと理解する事から始めなければならなかった。米田木材では、期首にコーポレートブックが配布され、会社の理念や部署の目標などを社員全員で確認する機会がある。今までは配布されても自分が所属する部署のページをパラパラとめくる位だった。しかし、インナーブランディング委員会の推進リーダーになってからは、毎日コーポレートブックを読み返し、会社が何を大切に想い、どこを目指そうとしているのかを必死に理解しようとした。
今までの社会人人生で、事務というフィールドから出た事のない私にとって、自分の頭で0から何かを生み出すという事は至難の業であった。「私には無理かも…」と、何度も半べそをかきながらも、委員会のメンバーに知恵を授けて貰い、愛情たっぷりの励ましの言葉をかけて貰い、何とか少しずつ形にしていった。“自分一人で全部できなくてもいい。人に頼るのも挑戦の一部なんだ”と気づけたのは、この活動を通じて得られた大きな収穫かもしれない。
そして、ついに迎えた発表当日。
発表上手くいくかな~とドキドキしながら、朝家を出ようと玄関を開けると、目を疑う光景が。前日からの大雨で自宅前が冠水し、駐車場から車が出せない状態になっていた。「え・・・会社に行けない・・・」と思わず頭を抱えたけれど、どうしても発表だけはしたかった。ここまで頑張ってきた自分を信じて、意地でも会社に向かうことを決意。

冬用の長靴を履き、ビニール袋に発表用資料を入れ、膝まで水につかりながら必死に会社へ向かった。途中、自宅待機している娘たちの事、水没しかけている駐車場の車が頭をよぎり、やはり家に帰ろうかなと迷ったりもした。だけど、“何としてでも絶対に行く”と気持ちを持ち直し、歩き続けた。今思えば、なかなか無茶だったかもしれない。
それでも、発表を無事に終えた瞬間、社員のみんなの笑顔やリアクションを見て、涙が出そうなくらいホッとした。「自分のやってきたことは、小さくてもちゃんと意味がある」その感覚が胸に広がって、今までの苦労や不安が一気に報われたようだった。

あの日、ドリームマネージャーの倉増さんに言われた「一歩外に出れば違う世界が見えるかも」の意味がやっと少し分かった気がした。今までの人生、気付かないうちに”安全な方、波風立たない方”を選択していたのかもしれない。一歩外に出てみたことで、そこが「安全地帯」だった事に気付くことが出来た。
正直、発表準備をしていて苦しかった時の事を思い返すと、「やはり安全地帯にいたいな」と思ってしまう。しかし、安全地帯にいる間は、「新しい世界」を見ることはない。未だに私の中で「安全地帯」と「新しい世界」が葛藤している。
ただ、今思うのは、「挑戦してよかった。」
それが率直な気持ち。
与えられた仕事をこなす日常から、自分で「やってみたい」と手を挙げる日常へ。
一歩踏み出すだけでも、景色はガラッと変わる。
次の目標に向けて、葛藤しながらもまた私は動き始めている。
チャレンジを躊躇している人も、ぜひその一歩を踏み出してみてほしい。
想像していたよりも、きっと新しい世界は面白いから。
to be continued…


YG TIMES編集員
柏木 彩夏
2019年に中途採用で入社し、現在は入社7年目。所属は事務部だが、部署を超えて色々な業務にチャレンジしている。YG TIMESの編集やインナーブランディングに携わる。昨年育休を終えて職場復帰。職場での学びを育児にも活用し、豊かな暮らしを実践中!