「私は私のままでいい。」 ― 40代で異業界へ転職し、“自分らしく働く”ことの意味を見つけた女性社員の物語―
- 会社の取り組み
- 社員紹介
40代半ばで新たな挑戦を求め、米田木材に経理担当として入社した福井さん。“真面目”を絵に描いたような人で、特に数字のことになると目の色が変わる。
「1円たりとも間違いは許さない」──長年金融業界で培った確かなスキルと経験を活かし、米田木材の堅実な経営を支える一人として日々働いている。
福井さんが、自分の性格にぴったりだった金融業界で長年経験を積んだうえで、異業界へのチャレンジに踏み出したのは、「自分の可能性にチャレンジしてみたい」という思いがあったからだった。
“真面目”な私の生い立ち
真面目で勤勉な父と、明るく優しい母に育てられ、 “真面目で明るくあること”は自然と自分のアイデンティティになっていた。高校時代に学んだ簿記では、数字がぴたりと合うことに喜びを感じ、自分の性格に合っていると実感。進路を迷うことなく金融業界へ進み、入社後は寿退社まで約7年間勤め上げた。結婚・出産を経て、保育園に子どもが上がる頃には再び金融業界に復帰し、その後も10年間、責任感を持って業務に取り組み、家庭と仕事の両立を実現してきた。
母親から一人の人として。40代で転職を決意した理由
家庭中心に過ごす日々の中で、次第に「自分はこのままでいいのだろうか」という漠然とした思いが芽生え始めた。 子どもが成長し母親としての役割が少しずつ変わるにつれ、自然と“一人の人としての私”を意識するようになった。
周囲の友人たちが新しい挑戦をしている姿も刺激となり、40代半ばで新しいキャリアの可能性を考えるようになった。金融業界でしっかり経験を積んだ土台を活かしつつ、未知の業界で自分らしさを発揮する一歩を踏み出した。
“自分らしく働ける職場”との出会い -米田木材に惹かれた理由-
米田木材とは派遣会社の紹介で出会った。自宅から通いやすく、経理職であれば・・・と軽い気持ちで話を聞いたが、決め手となったのは「社員の声」だった。
インテリアコーディネーターの古川さんと共通の友人がおり、その友人から「古川さんが本当に楽しそうに働いている。あんなに会社のことを好きな人って珍しいよね」と聞いた。
「会社が好き」という気持ちに馴染みがなかった私にとって、 その言葉はとても新鮮で心に残った。 “会社を好きになれる場所”──そんな期待を胸に、米田木材の門をたたいた。
人生理念って・・・何ですか? -働くことの意味を考えるー
新しい職場で最初に驚いたのは、 仕事の進め方や社内の雰囲気よりも、「人としてどう生きたいか」を問うカルチャーだった。家庭中心で生きてきた私にとって、「自分の想い」よりも「家族の気持ち」が優先だった。
「あなたの人生の目的は?」「働く意味は?」という問いに、すぐ答えることはできなかった。
若い社員たちが自分の価値観や目標を堂々と語る姿を見て、最初は戸惑いもあった。果たして私は彼らのように、自分の答えにたどり着き、みんなの前で自分の気持ちを話せるようになるのだろうか?今まで投げかけられた事のない問いに向き合いながら、夜も眠れず考え続けた日もあった。
「ここに自分の居場所はあるのだろうか」「自分らしさって何だろう」そんな問いを重ねながら、自分の中の“働く意味”を探していった。
事務職としての「働きがい」とは?単純作業がやりがいに変わる
事務職は、いわゆる“縁の下の力持ち”。 米田木材でもお客様とお話する事はほとんどなく、自分が担っている仕事が最終的にどのような形でお客様に貢献できているのかが見えにくい。そのため、なかなか仕事においてやりがいや達成感を感じる事が難しい。(人によって差はあると思うが)モチベーションが下がる事もなく、上がる事もあまりない。
事務職を選択する人は、この“安定感”が好きで事務職として働いている人も少なくないのではないだろうか。私もそのうちの一人だった。そんな私にとって、「あなたにとって働くとは?人生の目的は?やりがいは?」という質問は難題だった。
それでも、問いに“真面目に”向き合い続けるうちに、少しずつ考え方が変わってきた。「家庭と自己成長をどう両立させるか」「事務職としての働きがいとは何か」──仕事や働くことについて、具体的に意識するようになったのだ。
そのおかげで、「自分の人生にとって、この仕事はどんな意味を持つのか」と考えながら取り組むようになり、以前は単純作業に過ぎなかった業務にも、やりがいや達成感を感じられるようになってきた。
私の居場所 -檻のない動物園で自分らしく働くー
人生の理念は?という問いにはまだ明確な答えは出せていないし、勢いのある後輩たちを見ていると、正直気後れしてしまう時もある。
ただ、私の心の中には一つ大切にしている言葉がある。それは社長に言われた「米田木材を檻のない動物園にしたい」という言葉。つまり、「社員一人ひとりが自分らしく働ける“檻のない動物園”のような職場文化を目指している」という意味である。ライオンのように勢いのある人もいれば、リスのように心優しい人もいる。数字が得意な人もいれば苦手な人もいる。人前で自分の想いを話すのが得意な人もいれば苦手な人もいる。人は違っていて当たり前。それでいい。「自分の強みを伸ばし、それが誰かの役に立つのであれば、それで良いんだ」と思えた時、気持ちがふっと楽になった。
それまで“周りのようにできない自分”を責めていたけれど、自分は自分のペースで、できることを積み重ねていけばいい──そう思えた瞬間、ようやく“ここが自分の居場所だ”と感じられた。
米田木材では、社員一人ひとりが自分らしさを大切にしながら働いている。たとえば、仕事の進め方や得意分野は人それぞれで、数字に強い人もいれば、コミュニケーションを得意とする人もいる。人前で自分の想いを語るのが得意な人もいれば、控えめに仕事を進める人もいる。そうした違いを受け入れ、尊重する風土があるからこそ、誰もが自分のペースで力を発揮できているのだと思う。
この環境の中で働くことで、私は毎日の業務にただ「こなす」だけではない充実感を感じられるようになった。自分の強みを活かしながらチームに貢献できる喜び、先輩や同僚と意見を交わし、悩み苦しみながらも成長できる手応えがある。米田木材の企業文化が社員の多様性と個性を認め、互いに支え合う風土を大切にしているからだ。
これからも、米田木材という「檻のない動物園」で、私自身の働き方や自分らしさと向き合いながら、一歩ずつ自分のペースで歩んでいきたいと思う。

福井 美紀(ふくい みき)
2021年に中途採用で入社し、経理担当として「1円たりとも間違いは許さない」マインドで米田木材の堅実な経営を支えている。趣味はライブ鑑賞とよさこいで、職場では見られないアクティブな一面を持つ。明るく優しいのでみんなの癒し担当。
YG TIMES編集員
柏木 彩夏
2019年に中途採用で入社し、現在は入社7年目。所属は事務部だが、部署を超えて色々な業務にチャレンジしている。YG TIMESの編集やインナーブランディングに携わる。昨年育休を終えて職場復帰。職場での学びを育児にも活用し、豊かな暮らしを実践中!